■ 子宮筋腫の治療方法と選択の基準
「筋腫イコール治療が必要」というわけではありません。どういう筋腫は治療が必要で、どんな治療法が
あって、治療法を選択する基準はどうなっているのでしょうか?
● 治療が必要な子宮筋腫とは?
一般に次のような場合に治療が必要となります。
・ 子宮筋腫による症状がある場合 (月経異常/貧血/痛みなど)
・ 子宮筋腫が不妊や流産、分娩障害の原因となっている場合
その他にも、筋腫以外の腫瘍(筋腫も腫瘍の一種です)が疑われる場合や、筋腫以外の腫瘍を合併し
ている場合も、治療が必要となることがあります。
● 子宮筋腫の治療法
いくつか治療法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
1. 対症療法(鎮痛剤、止血剤、鉄剤、漢方など)
痛み・出血・貧血などの症状を伴う筋腫に対して行われる治療法で、症状を和らげる薬物を飲
むことによって症状を抑えます。
症状のひどさによって、薬物の種類や量を調節しますが、症状の原因を除去するわけではな
いので、不用意に薬を飲むのをやめたりすると、また症状が出現します。
2. ホルモン療法(偽妊娠療法、偽閉経療法)
対症療法と似ています。ホルモン薬を飲み続けることにより、わざと妊娠中や閉経後の状態を
作り出します。このことにより、子宮筋腫の症状が和らぐのです。薬をやめると症状が出現しま
す。
3. 手術(子宮全摘術、核出術など)
症状を生じている原因つまり筋腫を、手術して取ってしまいます。筋腫の大きさや場所、個数や
子供が生みたいかなどの希望も考慮して、筋腫だけを取り除くか、子宮まるごと取ってしまうか
を決めます。
手術の方法も、
・ お腹を開けて取る(開腹子宮摘除術)
・ お腹を開けずに取る(腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術) などの方法があります。
4. 子宮動脈塞栓術(UAE)
子宮を栄養している動脈に、細かく切った医療用ゼラチンスポンジを流し込んで、子宮筋腫に流
れる血流を少なくして治療する方法です。
※ 1と2の方法は「症状に対して行われる治療」、3と4は「症状が出る原因そのもの(筋腫)に対して行わ
れる治療」です。
これらのいくつかの有効な治療法の中から、患者さんは担当医とよく話し合われてご自分に合った治
療法を選択できます。
● 治療法を選択する基準
担当医とよく相談の上、治療法を選択いただくことになります。では子宮動脈塞栓術(UAE)を選択する
際の基準とは、一般的にどのようなものなのでしょうか。
1. 子宮筋腫があること(当たり前ですが)
2. 筋腫により、苦痛を伴う症状があること
3. お腹の中に他の病気がないこと
例えば子宮筋腫と子宮内膜症が合併している場合、症状の原因が、筋腫ではなく内膜症による可能性
が高いかもしれません。
つらい腰痛は子宮筋腫のせいだと思い込んでいたら、実は椎間板ヘルニアが原因であったりします。
これらの場合、UAEを受けても症状は改善しません。
4. 将来において妊娠や出産を希望しないこと
UAE後に妊娠・出産を計画された方が少ないため、将来の妊娠・出産に及ぼす影響が学問的に十分
解明されていないというのが大きな理由です。
5. 閉経前であること
6. 筋腫の数や大きさにはあまり関係ない
筋腫がたくさんあっても、大きな筋腫であっても、それだけでUAEできない理由にはなりません。
※ つまり子宮筋腫によって症状(過多月経による強い貧血、耐え難い月経時痛、下腹部痛など)があり
手術しかないといわれた方がこの治療の対象となります。
特に、どうしてもおなかを切るのが嫌な人、どうしても輸血を避けたい方にはお薦めと言えましょう
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