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           『 長く続く鼻づまりに「さようなら」を言うために 』








                                       耳鼻咽喉科 佐古田 一穂



風邪をひくと誰もが経験する「鼻づまり」、なかなかつらいものです。いったんはじまると、本来快適であるはずの我々の日常生活に、様々な不快な症状をもたらします。口呼吸、のどの渇き、嗅覚障害、いびき、不眠、いらいら、頭痛、頭重感、・・・。鼻づまりは、赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな原因によって引き起こされます。しかし、風邪の後の一時的な症状はともかく、数週間続く場合、また、軽快・悪化を繰り返す場合は、一度、耳鼻咽喉科を受診してみてください。鼻かぜ、花粉症、初期の蓄膿症などは適切な処置、薬の使用によって、ほとんどがすっきりと良くなります。

今回はなかなか治りにくい「鼻づまり」のなかから、手術することで良くなる、こどもとおとなの疾患についてお話します。

1. アデノイド肥大
お家の子供さん、普段ポカンと口を開けていることが多くないですか? アデノイド肥大かも知れません。
「アデノイド」とは、鼻の奥にある扁桃の別名です。アデノイドが肥大していると、鼻の中にある空気の通り道が、鼻の一番奥でピタリと塞がれてしまいます。こうなると鼻で息が出来なくなり、口呼吸、よだれ、注意力散漫、嗅覚の低下、夜間の睡眠障害、睡眠時無呼吸などの症状を呈します。また、鼻汁が鼻の中にたまりやすく、うまく鼻がかめません。そうなると、風邪から蓄膿症に移行したり、アレルギー性鼻炎の症状がさらに悪化することもあります。長期化する滲出性中耳炎、反復する急性中耳炎の最大の原因であることも知られています。アデノイド切除することで、術後数日で鼻の通りが良くなります。
大昔から行われている治療ですが、最近はほとんど全身麻酔で行われます。


2. 鼻中隔彎曲症
左右の鼻の穴の間には骨で作られた壁があります。これが鼻中隔です。本来どなたも少しは曲がっているものなのですが、中には、右あるいは左に、ときにクランク状に大きく彎曲している人をみかけます。これによって空気の通りが妨げられ、常に片方の鼻がつまる、左右交互につまる、という症状を呈します。鼻中隔矯正術では、骨の彎曲している部分だけを切除して、残した粘膜を真っ直ぐに張り合わせます。
骨の成長過程にあるこどもには手術をしませんが、大人では鼻の穴から局所麻酔下に行える手術です。


3. 肥厚性鼻炎
左右の鼻の中には、下甲介とよばれる粘膜でできた大きな「ひだ」があります。アレルギー反応を起こしやすく、この時に強く腫脹します。このひだの粘膜が慢性的に変質し、肥厚することがあります。花粉症などで季節的に変質することもありますが、通年性のアレルギー性鼻炎などでは、肥厚した粘膜によって強い鼻づまりが一年中持続します。最近では市販の点鼻薬の使いすぎによる、薬物性肥厚性鼻炎も増えています。変質して肥厚した部分の粘膜を少し切り取って空気の通り道をつくることが下甲介粘膜切除です。この手術は先の鼻中隔矯正と組み合わせて行われることも多く、鼻の穴から局所麻酔下に行える手術です。


4. 慢性副鼻腔炎(=蓄膿症)
通院治療でよくならない蓄膿症、特に鼻にポリープが出来てしまった場合は、手術治療が有効です。口の中を切開して上あごの中を掃除する従来の手術方法は、特別な場合を除いて行われなくなりました。内視鏡の発達は、蓄膿症の治療にも大きな変革をもたらしました。蓄膿症とは、鼻の奥(=副鼻腔)に粘りの強い鼻汁がたまり、慢性的な鼻づまりや鼻汁過多が続くことです。鼻汁が中にたまらぬように、さらに鼻内の風通しを良くすることで自然に蓄膿症が治るようにしむけることが近年の治療方針の主流となりました。手術では、鼻の入口から細い内視鏡を挿入し、鼻汁の排泄路、換気の交通路を正常に近いように作り直します。
局所麻酔下に片側30分ほどで行え、外観に傷跡も残さないので、従来の手術法に比べて患者さんの負担はかなり軽減されています。


長期におよぶ鼻づまりでお困りの方、長くかかる通院治療に疲れた方、一度専門医に御相談ください。

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