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耳鼻咽喉科
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『 あなたの扁桃は、健康の負担になっていませんか? 』
耳鼻咽喉科医長 佐古田一穂
「たびたびのどが痛くなる、熱が出る」 「いびきが大きい」 「学校検診で扁桃が大きいと言われた」 などと、扁桃についての悩みを抱えている方は大勢いらっしゃると思います。扁桃摘出、アデノイド切除は全国の耳鼻咽喉科で最も盛んに行われており、その有用性は疑いのないところです。今回は扁桃の手術についてのお話です。
実は扁桃の働きははっきりと明らかにされていません。今のところは、鼻や口を通って外界から侵入してくる微生物に対して、防御する役目を果たしているのではないかと言われています。
扁桃がこれら細菌たちと戦いを始めた時、痛みが生じ、発熱します。この状態が「扁桃炎」です。しかしこれまでの多くの研究では、扁桃を取り除いたからといって免疫機能が低下することはない、とわかっています。
では、どのような場合に扁桃の手術をしたほうがいいのでしょうか。
@ 著しい扁桃肥大
単に大きいだけでは手術の必要はありません。特にこどもののどは狭いので、アデノイドや扁桃が肥大していると空気や食事の通り道が狭くなり、様々な症状が生じます。
◆ 鼻で呼吸ができない
鼻が慢性的につまっているため、常に口をポカンと開けている。頭の重たい感じが続き、疲れやすく、注意力に欠ける。口呼吸を続けるためにのどが乾燥しやすく、たびたび風邪をひく。
◆ いびき、睡眠時の無呼吸
大きないびきは呼吸障害があるということ。睡眠が浅くなるため、夜間に何度も目を覚ましたり、おねしょ、昼間ウトウトしている場合もある。長期にわたる場合は、肺や心臓の機能を障害する危険がある。
◆ 食べ物が飲み込みにくい
特に幼児では食べ物が飲み込めず口の中でいつまでもモグモグしており、食べる量が少ない、食事に時間がかかる、すぐにつまってオエッと吐き出す、体重が増えない、など。
◆ 長引く中耳炎、ちくのう症の原因となる
風邪を引きやすく、治りにくいことによります。また、アデノイドによって鼻の奥が塞がれてしまっていることも大きな原因です。
A 習慣性扁桃炎
年3ないし4回以上の扁桃炎を繰り返すことを指します。学校や職場をたびたび休まなければならない場合は、身体および生活への影響を考え、手術の適応と考えられています。
B 慢性扁桃炎
のどのカゼが治りにくく、微熱やのどのイガイガ感、口臭など、不快な症状が長期間続きます。
C 病巣扁桃
扁桃の慢性的な炎症が、身体の他の部分に悪い影響をおよぼすことです。微熱、腎炎、湿疹、リウマチ様関節炎などがあります。
このように扁桃の手術は、より健康的に、より快適な日常生活を得るために行われます。最近では全国的な傾向として、成人の手術症例が増えています。当院でも成人と小児の手術件数は、ほぼ同数です。「手術を受けたら良くなることはわかるけど、怖いから…」と、漠然とした不安を抱くあまり、手術を回避してしまう方が多いようです。また、小児科・内科など他の診療科のドクターから、「そのうち治るから」と、安易に手術の決定を先延ばしにされて、漫然と投薬だけが続けられている患者様が目立ちます。そしてそのような子供たちの多くが成人になり、いよいよのっぴきならない状況になってから手術を受けに来られるケースが数多くみられます。
当院は耳鼻咽喉科の勤務医が私1人のために手が回らないという事情もあり、手術を受けるべきかどうかの判断はかなり厳重にしぼらせていただいております。しかし、抗生物質など医学が発達した現在においても、扁桃の手術は患者様にとって、非常に満足度の高い治療であることには変わりありません。
手術をするという決定は、患者様の年齢、症状の程度、社会的状況などによって違ってきます。
扁桃についてお悩みの方は、お気軽に耳鼻咽喉科医にご相談ください。
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