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『 安全で楽しい出産のために 』・・・・(その1)妊娠と薬剤
妊娠中の薬の使用についてはその胎児への影響が問題となり、薬剤の種類、量、使用期間とともに使用時期が重要となります。
薬剤の種類については、いわゆる胎児奇形の原因(催奇形性)となることがわかっているものから、そのことが疑われているもの、比較的安全と考えられてはいるが100%の保証の無いものまであります。それぞれの薬剤についてその危険度についての評価があり、通常より安全性の高いものから使用します。
一般に、点眼薬、点鼻薬、軟膏や貼薬などの外用薬は妊娠中の使用も特に問題はないと考えられていますが、血液中への吸収を目的とした座薬やパッチ剤などがあり、注意が必要です。
使用する量、期間については当然、必要最小限にとどめるべきです。
■ 使用時期については、おおむね以下のように考えられています。
≪ 受精から妊娠4週以内 ≫
残留性のある特殊な薬剤や遺伝子や染色体に影響をあたえる薬剤(一部の抗癌剤など)を除き、催奇形性という観点からは影響を考慮する必要は無い。
≪ 妊娠4週以降8週まで ≫
器官形成期つまり胎児の各部分がつくられる時期であり特に催奇形性が問題となり、薬剤使用には最も注意が必要。
≪ 妊娠8週から15週まで ≫
胎児の重要な器官の形成はほぼ終わっているが、外性器など形成途中のものもあり、注意が必要。
≪ 妊娠16週以降分娩まで ≫
催奇形性よりも胎児に対する毒性、つまり発育や子宮内での環境への影響が問題となる。
■ 実際には妊娠中の薬剤使用についての問題点はどういった状況でしょうか。
1) 薬を使った後で妊娠していることがわかった。
この場合は、妊娠の診断前という事で通常は妊娠初期にあたります。
まずは正確にどの時期(妊娠週数)に使用したかを把握します。
次に、使用した薬剤がどの程度の危険性があるのかを調べ、胎児への危険性を総合的に判断します。
2) 妊娠中に病気になり、薬を使いたい。
妊娠週数を考え、その時点で最も安全性の高いと考えられている薬剤を使用します。もちろん不必要な薬剤は避け、必要最小限にとどめます。
たとえば、妊娠中に発熱が続くと胎児には熱そのものが影響し、初期であれば流産となることがあるので解熱剤を使って速やかに熱を下げた方が良い場合もあります(ただし、使用する薬剤に付いては産婦人科医にご相談ください)。
つまり、薬の胎児への危険性よりも、薬を使わない方が母体、胎児にとってより危険と考えられる場合には、むしろ積極的に投薬治療するべきといえます。また、早期に治療を開始することにより、病気そのものの胎児への影響を最小限にとどめることが必要な場合もあります。
3) 妊娠前から継続的に薬を使っている。
喘息、てんかん、不眠症などで妊娠前から投薬を受けている場合は、本来は妊娠を希望した時点での検討が望ましいのですが、自己判断で薬を中止しないでください。妊娠中であっても同様に薬が必要か、より安全性が高いと考えられるものに変更可能か、あるいは量を減量、中止することができるか、を専門的に判断する必要があります。
妊娠中の薬剤の使用は、もちろん出来る限り控えるのが原則です。どうしても必要な場合、あるいはすでに使用している場合などは、前述したようにその種類、時期によっては、ほとんど胎児への影響がないと考えられているものもありますので、やみくもに心配したり、薬を拒否するのではなく、まずは、産婦人科医にご相談ください。
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